『DNSサーバ構築大奮闘記』、第2回を迎えました。
前回はDoレジの「DNSサービス」という無料のオプションサービスを使ってDNSを体験しました。
よくわからないままに、なんとか「https://www.fsv.jp」または「https://fsv.jp」とブラウザに打ち込むと自宅のWebサーバーにあるコンテンツが、インターネット上から見えるようになりました。
今回は、その設定途中にでてきた「ゾーンファイル」の中身についてご説明したいと思います。
・・・と、その前に、、
まずはDNSの仕組みについて、もうちょっと詳しく理解する必要があるようです。
私は、“理論より実践!”がモットーなので、社内の技術メンバーにDNSの仕組みを教わったときは、避けて通りたくなりました。
皆さんも少々眠たくなるかもしれませんが・・・これからDNSサーバーを構築する上でとても重要なので、頑張って読んでくださいね!
DNSは何のためにあるのか?
前回の説明ではDNSとは、
“WWW.FSV.JP(または FSV.JP)というコンピューター(サーバー)がインターネット上のどこ(のIPアドレス)にあるかを教えるためのもの” でした。
たとえば、私が会社のPCから WWW.FSV.JP をブラウザに入力したときに、自宅のサーバーを探し出すための役割、ということです。
しかし、単にそれだけならわざわざDNSサーバーなんてものがなくても、私の会社のPCが WWW.FSV.JP のIPアドレスを覚えておけばよい、ということになりますよね。
しかし、世の中には膨大な数のドメイン名があり、膨大な数のWebサーバー、メールサーバー等が運用されていています。
私の会社のPC一台が世界中のありとあらゆるコンピュータのIPアドレスを記憶しておかなければならないとしたら、それはさすがに酷というものです。
そこでDNSの登場というわけです。
DNSは、世界中のコンピュータとそのIPアドレスを一台のPCが記憶せずに参照する仕組みなのです。
具体的にはどういう仕組みなのか、
それにはまず、ドメインがもつ構造を知る必要があります。
ドメインの構造について
以下の図を見てください。
ドメインの構造は上図のようにツリー構造をしています。
たとえば、この連載で使用している WWW.FSV.JP は赤で囲った部分に相当します。
つまり、「JPというドメインに属する FSV というドメイン内の WWW というホスト」ということを表しており、これを右から順に「.」で区切ったものが WWW.FSV.JP です。
上のツリー構造を以下のような図で表現することもできます。
上図の赤の部分は、WWW.FSV.JP が「JPという領域のなかの FSV という領域に属する WWW というホスト」であることを示しています。
同様に、COMという領域やNETという領域、ORGといった領域も存在しています。
たとえば WWW.ICANN.ORG は「ORG という領域のなかの ICANN という領域に属する WWW というホスト」が存在することを示しています。
そして、これらの領域を「ゾーン」といいます。
・・・何か聞き覚えのある言葉が出てきました。
前回出てきた「ゾーンファイル」の「ゾーン」です。
ゾーンファイルとは、このゾーンについて記述したファイル、ということになります。
では、この仕組みとDNSはどのように関係しているのでしょうか。
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